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FUJI ROCK FESTIVAL '09 FES REPORT
『FUJI ROCK FESTIVAL '09』 (新潟)
2009.07.24(金) - 2009.07.26(日)
【会場】 苗場スキー場
野外フェス
邦楽アーティスト
洋楽アーティスト
ロック
ポップ
クラブ/ダンス
キャンプ可能
エコ活動
オールナイト
今回で第13回目を迎えた『FUJI ROCK FESTIVAL'09』。木曜の前夜祭から延べ123,000人が来場したそうだ。

FUJI ROCK FESTIVAL '09 の写真 入場ゲートを越えるとすぐに、忌野清志郎のマスコットであるウサギのキャラクターの巨大バルーンが立っていた。「フジロックに行けば観れる」人であるあの人の存在(存在といっていいのかはわからないが)を入り口から感じ、テンションが上がると同時に感慨深い気持ちにさせられる。

まず特筆すべきは2日目の夜に出演したダイナソーJR.。今回のフジのメインは彼らであったと言い切りたい程のステージだった。「The Wagon」のような超有名曲で盛り上がるのはもちろんだが、6月にリリースされたばかりのアルバムの収録曲でも【RED MARQUEE】のスペースからハミ出るほど集まった観客の目はステージに釘付け。それは彼らの演奏力によるところに他ならない。
FUJI ROCK FESTIVAL '09 の写真

BIG BEACH FESTIVAL '09 の写真 ギター・ソロがかなり長いのだが、それが続けば続くほどもっと続けて欲しいと思ってしまう気持ちのよさは、ダイナソーJR.以外では感じることができないかも。

そして、同じく2日目の夜、フランツフェルディナンドも完成度の高いパフォーマンスで【GREEN STAGE】を盛り上げた。エンターテインメントを意識したパフォーマンスが好印象で、フジのヘッドライナーということもあってか、1st、2ndあたりのキャッチーな楽曲を多く演奏。
FUJI ROCK FESTIVAL '09 の写真

FUJI ROCK FESTIVAL '09 の写真 本編が終わってもステージ前からオーディエンスが退くことはなく、アンコールもたっぷり「Ulysses」「Michael」「40'」「Lucid Dreams」といった4曲を演奏した。

3日目、【WHITE STAGE】のホーリーファックによる生音で奏でられるエレクトロニカが、シューゲイザーっぽいトリップ感と独特のグルーヴが意外にも照りつける太陽の心地よさとマッチして印象に残る。
【ORANGE COURT】のフアナ・モリーナは、ドラムとベースがいて、それにフアナがギターやシンセを弾いてサンプリングしたものを重ねていくというシンプルな構成ながら、その浮遊感とダビーなサウンドは唯一無二の空間を作り出していた。
そして、【GYPSY AVALON】で行われた東田トモヒロのライヴは間違いなく3日目昼間のステージのハイライトだったといえよう。東田の弾き語りからスタートしたライヴはその歌声と草木の匂い、ギターの音が聴き手に陶酔感にも似た心地良さを与え、カラダの中の芯の部分を揺らす良いステージだった。途中雨が少し強く降り出したときもステージ前の丘から移動する人は見られなかった。
そして夜のハイライトは【WHITE STAGE】アニマル・コレクティヴ。オープニングから「Summertime Clothes」までの十数分の間に境目もなくその場の緊張感をひきあげ、その緊張感を維持したまま演奏が続く。
FUJI ROCK FESTIVAL '09 の写真

FUJI ROCK FESTIVAL '09 の写真 フジの夜独特の空気と確実にツボをついてくる演奏があまりにも気持ちが良くて、「Fireworks」を聴かなくても満足かもしれないという気になったところで同曲が入る。予定調和がないのに期待を裏切らない、最高のステージだった。

また、アニマル・コレクティヴとは対照的に、予定調和の気持ちよさをみせたのがベースメント・ジャックスだ。「Samba Magic」「Bingo Bango」「Good Luck」をはじめ、彼らに期待される楽曲を次々披露していく。
FUJI ROCK FESTIVAL '09 の写真

FUJI ROCK FESTIVAL '09 の写真 ド派手な演出と完成された構成、その場の一体感。ここぞとばかりに盛り上がりたいオーディエンスを完璧にロックするパフォーマンスで、最終日の【GREEN STAGE】のラストを飾った。

FUJI ROCK FESTIVAL '09 ライブ・レポート
EASY STAR ALL-STARS
(2009.07.25 / Field of Heaven)

EASY STAR ALL-STARSはその名の通り、NYベースのレーベル、EASY STARレコードの所属アーティストを中心に構成された選抜メンバーによるバンド。

元来レゲエという音楽は、ビートルズからGreeeNみたいな歌謡曲までどんな曲でもレゲエに出来てしまうという万能な音楽である訳だが、このESASは、レゲエ〜ダブの豊富なボキャブラリーの中から適切なものを引用し、ロックの名盤を丸ごとをアレンジ〜再現するという非常に芸の細かい作品を次々と発表してきた。

これまでにピンク・フロイド『DARK SIDE OF THE MOON』、レディオヘッドの『OK Cmoputer』、そして最新作になるビートルズ『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』と余りにもベタだが秀逸なカヴァー集を出して来た彼らの日本初上陸となるライヴは過去の3作のダイジェスト的な選曲。

冒頭はビートルズの『サージェント〜』から、本編はゲストがヴォーカルをとるスタイルだった為にライヴで如何なるヴォーカル構成になるかに興味津々だったがRas Irayのヴォーカル、Menny Moreのラップを中心に複数の男女ヴォーカルが目まぐるしく入れ替わりを見せ、ホーンセクションなどもどんどん前面に出てインストゥルメンタルというよりは、全てのパートが歌まわりを分担し繋ぐような実にピースフルかつ各パートの音が調和する演奏が展開された。

レディオヘッド「Paranoid Android」「Karma Police」では、トム・ヨークの書くソングライティング―とりわけヴォーカルが紡ぎ出す良質な旋律はそのまま残しつつ見事なまでにレゲエ・ミュージックとして成立していて、時には「こちらが元曲なのではないだろうか?」と錯覚する瞬間も多々あり、盤を聴くよりもその相性の良さを実感させられた。

後半はカヴァー作にも関わらず奇跡の名盤との誉れ高い『Dub Side of the Moon』から、「Time」のイントロ部のリズムの残像を揺らめくような音像から一転、屈強だがゆるさも持ち合わせたレゲエ・グルーヴへの鮮やかな展開など、サイケ〜トリップ・ミュージックという大ざっぱな括りの中で、ESASはフロイドとダブ・ミュージックの挾間に存在するミッシングリンク部分をこの瞬間垣間見せてくれたように思える。

funky METERS
(2009.07.25 / Field of Heaven)

funky METERS ヘヴン2日目のトリを務めたのは、ニューオーリンズ・ファンクの雄、ファンキー・ミーターズ。
30年強の活動歴を持つファンク・ミュージックの始祖ザ・ミーターズを母体に持つ彼らは、ドクター・ジョン、スライ、P-ファンク、そしてジェームス・ブラウンですらその音楽を辿ると行き着くいわば「源流」、今風に言うとリアル・レジェンドといえるグループだ。
とはいえ元々アラン・トゥーサンのハウス・バンドとしてスタートした職人インスト・バンドということもあり、とりわけ伝説を煽るような派手な演奏をする訳ではない。
ニューオーリンズの祭でも、苗場のステージでもそれは同じことで、ショウ前半は淡々と、セッションでウォーミング・アップしているかのようにリラックスした演奏を聴かせながらも、随所に饒舌なグルーヴを散りばめ徐々に上げていくのが彼らの流儀だ。

前半早々と「Look Ka Py Py」や「Fiyo on the Bayou」といったクラシックも披露していくが、これらのキラーチューンも実にさりげなくロング・ジャムの中に練り込んでいるといった印象。 来日前から持病の足の不調が不安視されていたアート・ネヴィルも元気なところを見せた。
なかなか日本に持ち込んで再現するのは難しいだろう、ハモンドB3をどっぷりと深みのある音を奏でていたし、反復する一個一個のフレーズが、伝家の宝刀という位強烈な個性を放っている。

ファンキー・ミーターズはとかく元祖メンバーのオリジナル・ラインナップと比較するとよりロックっぽさが指摘されがちだが、その一端を担う「若きネヴィル」ことイアン・ネヴィルのギターにも、長年のロード生活で磨きがかかった。
加入数年は、若さ故に「弾き過ぎ」との手厳しい意見もあった彼だが寡黙に即興時のバランサーの役目をしていたのが印象的で、むしろジョージ・ポーターJrのような古参のオジサン達のほうが出すぎと思う位に張り切っていたのは光景としては実に微笑ましかった。
最後には皆が待ち望んでいた生「Cissy Strut」も出て、じっくり二時間以上堪能させてくれた。

THE DISCO BISCUITS
(2009.07.26 / Field of Heaven)

THE DISCO BISCUITS 3日目フィールド・オブ・ヘヴンのメインアクトは、アメリカのジャムバンド、ディスコ・ビスケッツ。
日本では無名に近いバンドであるが、ここ数年アメリカのライヴミュージックシーンで自主フェス「Camp Bisco」を定期的に成功させたりとシーンの中心を担うライヴアクトだ。
日本のファンの脳裏には2001年の朝霧ジャムでの何とも煮えきらない演奏が尾を引いていたが、あれから8年・・・さらにここ数年の彼らのロードでの目覚ましい発展は、一部のファンの中で伝え知られ、ここ5年近くも来日の機運が高まっていただけにまさに待望のショウとなった。

ディスコ・ビスケッツの音楽スタイルは、日本でも人気のSTS9などに代表される“ライブ・エレクトロニカ〜ジャムトロニカ”に分類されることが多いが、その音楽性はむしろ、ニューウェーヴやダブ、80sエレクトロに近い質感をミックスしたような感覚のバンドだ。テクノ直径のビートもふんだんに取り入れているものの、本質はロック的なグルーヴが特徴といえる。

冒頭の「Digital Buddha」から蛍光スティックが飛び交う光景はPHISHやストリング・チーズ・インシデントといった正統派ジャムバンド以来の久々のヘヴンへ帰還を感じさせ感極まる思いであったが、そんな光景をよそに前半はスペーシーかつエレクトロ・ファンクで軽く踊れるショート・ナンバーで徐々にオーディエンスを暖めていく様はさすがライブ巧者といえる。

中盤に差し掛かると大陸的な壮大なプログレ・ナンバーの「PlanB」、典型的なライヴトロニカチューン「42」と20分近いロングジャムに突入、後半はMCも程々に一時間越えの息継ぎなしのダンスモードに、ダブ的な繊細なサウンド処理も随所に感じられ、音響的にも単調にならない創意工夫もインプロヴィゼーションの隙間から次々と溢れ出す感じで、デビュー当時からロック的な空気感と次世代の感覚が融合した数少ないバンドとUSインディーシーンで評価を受けていたBiscoの完成形がここ日本でも見事に体現出来る出色のセットとして記憶に残った。

近年ジャムバンドで通例と言われているブレイクを挟む2セット構成よりもロング二時間強の1セットで踊らせるのが最近のビスコのスタイルだが、今回のライヴはここ最近の彼らのセット構成を実践。ここのところ途中退場者が目立ったへヴンだったがオーディエンスの完走率も高かったようで、MCでメンバーの口から語られていた単独公演の実現にも俄然期待が高まる演奏となった。

【セットリスト】
01. Uber Glue
02. Caves of the East
03. Digital Buddha
04. Orch Theme
05. Run Like Hell
06. Digital Buddha
07. banter
08. Koncrete
09. Park Avenue
10. M.E.M.P.H.I.S.
11. Cyclone
12. You and I
13. Sabre Dance
14. banter
15. Plan B
16. Spacebirdmatingcall
17. 42
18. banter
19. Mirrors
20. I-Man
21. crowd
22. banter
(Encore)
23. The Safety Dance

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