子供の映像に合わせて「♪僕は知ってるよ/ちゃんと見てるよ/頑張ってる君のこと……」と歌う『スズキ アルト』のCMソングを覚えていませんか? 女性の応援歌としても話題になったこの曲を歌っているのが、これまで数多くのCMソングを歌ってきたアーティスト、HARCO。この度、彼のCMソングを集めたアルバム『Portable Tunes - HARCO CM WORKS -』がリリースされました! 『杏露酒』『CHINTAI』『Lipton イエローラベル』『愛犬元気11歳以上用』など、聴き覚えのあるCMソングばかりを収録しており「あっ、これも知ってる!」「えっ、このCMも歌ってたの?」という驚きと楽しさに満ちた作品に仕上がっています。



●リリース日:2006/04/26
●収録曲数:10曲
●セット枚数:1枚
●アルバム
●Witz
●一曲DL価格:150円(税込)




01. 世界でいちばん頑張ってる君に  『スズキ アルト』CMソング(05年) 試聴
02. Welcome to my home  『NTTコミュニケーションズ 「OCN」』CMソング(04年)
03. カゴメ野菜スープ CMソング オリジナルversion(02年)
04. LOVE ANZ PEACE  『永昌源 杏露酒』CMソング(05年) 試聴
05. CHINTAI CMソング オリジナルversion_1(06年) 試聴
06. 私のマウススプレー  『サンスター オーラメントマウススプレー』CMソング(03年) 試聴
07. ユニ・チャーム ペットケア  『愛犬元気11歳以上用』CMソング オリジナルversion(05年) 試聴
08. スイッピ*ラグ  『JR東日本View+Suicaカード』CMソング(03年)
09. 息をしろ  『JR東日本エキナカ』CFソング(05年) 試聴
10. 『ANA'S G・E・T』CMソング オリジナルversion(01年)
11. 野ばら -ピラミッド型Remix-  『Liptonイエローラベル』CMソング(04年) 試聴
12. グリコPOsCAM CMソング オリジナルversion(05年) 試聴
13. CHINTAI CMソング オリジナルversion_2(06年)
14. 自動車工業会サウンドロゴ(四輪)(04年)
15. 自動車工業会サウンドロゴ(二輪)(05年)
16. ソングバード -新宿上空Remix-  『チョコラBBローヤル』CMソング(05年) 試聴
17. スズキ アルトCMソング オリジナルversion(05年) 試聴
18. LOVE ANZ PEACE  『永昌源 杏露酒CMソング(without vocal)』
【PROFILE】

青木慶則のソロ変名ユニット。97年よりHARCO名義で活動を開始。楽曲制作はもちろん、キーボード、ドラム、マリンバなど何でもこなすマルチプレイヤーとしても知られる。TV&ラジオCMの作曲や歌唱で活躍しているほか、05年にはYUKI「長い夢」のREMIXを担当。05年11月に『スズキ アルト』CMソング「世界でいちばん頑張ってる君に」をシングル・リリースしたほか、06年2月にはセルフプロデュース・アルバム『Wish List』を発表するなど精力的に活動を展開している。
――CMソングって、具体的にどういう流れで制作してゆくのでしょうか?
「基本的には絵コンテを見ながら考えます。歌詞は色んなパターンがあるんですけど、コピーライターが書く場合や監督さんが書いちゃう場合もあります。例えば『ここの5秒でこのフレーズを歌う』とか全部決まってるので、メロディはそれに当てはめてゆく感じですね。必ず、どういう内容でどんな俳優さんが出るかとか細かい所まで打ち合わせさせていただいてから作ってます」

――楽曲はどれくらいでできちゃうんですか?
「最初のインスピレーションでパッと浮かぶフレーズが重要なんですよ。ぱっと浮かぶ方が、みんなも覚えやすいメロディだと思うんで。一番早いのは『じゃあ、今から絵コンテFAXで送ります』って言われて、FAXがジジジ……と上がってくる瞬間にできちゃう(笑)」

――えっ、もうそこで? ……絵コンテからメロディが浮かんでくる感じかな。
「そうですね。そういう時が1度か2度ありました。必ず何パターンか作らなくちゃいけないので、それからいくつか作って持っていくんですけど、そっちの方が時間がかかる(笑)。しかも、結局1パターン目が選ばれることが多いんですよ」

――普段も曲作りは早い方なんですか。
「HARCOとしての曲作りはかなり遅いです。じっくり作って、どんどん捨ててゆく感じで」

――面白いですね。CMソングだと秒殺なんですね。
「いやあ、でも僕なんかまだまだで、CM界には1000曲くらい作ってる作家さんがいっぱいいますからね。そういう方は、こんな風にCD化されることなくても、ひたすら仕事としてCMソングを量産してるんですよ」

――そういう点で、今回この作品が世に出て本当によかったと思っているんですよ。CMソングをフル・ヴァージョンで聴くっていうのがすごく面白いし、元々CMでメロディを覚えているものだし。
「だから『歌える』ってことで、タイトルを『Portable (=持ち運ぶ) Tunes』にしたんですよ。頭の中で歌えるってことは、曲を持ち帰ってるって事ですからね。思わずCMソングを口ずさむ時があるじゃないですか(笑)、だからタイトルは『Portable Tunes』」
――ヴォーカルを担当した作品も収録されてますよね。楽譜を事前にいただくんですか?
「いただかないことも多いですよ。その場ですぐ『歌ってください』って言われちゃう。そういう世界みたいです、CMって。スケジュール表を見せていただくと(制作期間って)2週間くらいだから」

――ヴォーカリストとしては大変ですよね、それって。
「歌手なんだけど、俳優の要素もあるみたいな。台本に従わなきゃいけないところもあるし」

――「こういう感じで歌ってください」とか?
「ありますね。『明るく』とか、『その明るくの1割をさみしく』とか(笑)。難しいんですよー」

――M-11「野ばら」とか難しそうですね。歌詞がなくて「ニャーニャーニャー」って歌ってて。
「あれはね、『ちょっとHARCO君、好きに歌って』って言われたんですよ。メロディはシューベルトの「野ばら」って決まってたんですけど『ランランランじゃなくって、赤ちゃんがしゃべってる感じ』って言われて。で、結局こうなったんです」

――そういえば、M-1「世界でいちばん頑張ってる君に」もヴォーカルのみの参加でしたね。本当にあの曲は女性の応援歌というか、私も会社で嫌な事があっても励まされたりして(笑)。
「本当、皆さんそう言ってくださるんです。『よくぞ歌ってくれた』って。そういうのって自分じゃ分からないんですよね。……最初この曲をいただいた時は作曲家の方もよく知ってる人だったし、単純に「いい曲だなあ」って思ってはいたんですけど、まさかここまで評判になるとは思わなかった」

――HARCOさんの声じゃなかったら、ヒットしなかったと思います。声がすごくいいんですよね。元気をくれる声なんですよ。
「僕、97年から活動してて、少しずつ声が変わってきているんです。でもCMソングって、歌が上手じゃない方が印象に残ったりするじゃないですか、M-3「カゴメ野菜スープ」の僕とか。……ちょうどCMのお仕事が増えてきたときに『もっと歌がうまくなりたい、もっと太い声出したい』って思い始めて、でも『歌がうまくなったら、CMの仕事来なくなっちゃうんじゃないかな?』って自分の中ですごく葛藤があって(笑)。……いや、笑い事じゃなくて、本当に真剣にそう思ってたんですよ! 『上手くなっても、瞬間に下手になれる技を磨こうか』なんて(笑)。……でもね、結局そんなこと必要なくて、今でもスタジオに入ってすぐ歌ってくださいって言われるとちゃんと外すんですよ、これが(爆笑)。そこはホッとしてるんです」

――それはCMのお仕事をしているうちに吹っ切れたということですかね。
「うーん、まあ、そういうことになるのかな。でも、『世界でいちばん頑張ってる君に』は以前より格段に歌がうまくなっているからこそ、励まし度も上がったと思ってます」

――何も知らない方が聴いたら、HARCOさんって『励まし系』じゃないかと思いそうですね。
「癒し系じゃなくて、励まし系?(笑)」

――そうそう。癒すだけじゃなくて、励ますんですよ。
「それいいですね。今、BBSにいっぱいお母さんからの書き込みが来てるんです。介護の仕事をしている方なんかからも。あと、うちの妹が今妊娠中なんですけど、この曲聴くと落ち着くって言ってくれてます。些細な事に悩んだりしなくなるって。あと受験生からもたくさん来てますね。子供からの声も多いんですけど、子供はこの中で一番頑張ってないのに何でかな(笑)?」
――『Portable Tunes』に収録するために、CMソングを5分のフル・ヴァージョンにしていますが、いつもと勝手が違って大変だったんじゃないですか?
「もともと15秒しかないメロディを増やすことから始まって、詞を書いてくださった方に歌詞を作ってもらってレコーディングするっていう作業だったんですけど、これがすごい楽しくって! 僕、編集作業とかすごい好きなんですよ。もともと壁新聞作るの好きだったり、雑誌を作ってみたかった人間なんで」

――HARCOさんにとって、CMの魅力って何なんでしょうか。
「自分で作る音楽って発注元は自分なんですけど、CMソングってスポンサーの意見を反映して作る音楽ですよね。だから、いろんな人の引き出しから色んなものをもらって料理をすることができるんですよ。『僕ってこんなこともできるんだ!』っていう新たな発見がたくさんあるのが魅力ですね。……例えば、M-6『私のマウススプレー』は女性の気持ちを歌っているんですけど、僕は今までそういう曲を作ったことがなかった。
本当はずっとやってみたかったんですよ、名前もHARCOだし、声もちょっと高めなんで。でもこれまでそういう機会がなかったんだけど、CMが女性の曲を歌うチャンスを与えてくれた」

――そんなHARCOさんの次の展開が気になってくるんですが、今後の活動予定は?
「リリースが続いたのでまだ具体的には何もないんですけど、フル・アルバム出したいですね。それが一番にあります。あとは同時進行のものがいくつかあって、まず『文房具ルーヴ』(笑)! 僕、文房具が好きなんですけど、使う機会がなくて宝の持ち腐れになっているんですよ。だから文房具の音、例えばセロテープの音をループさせてライヴで使ったりしてるんです。この『文房具ルーヴ』を確立させて、文房具だけでアルバム1枚作ってみたいんですよね。……この他にもいろいろ考えてます」

――そういえば、銀色夏生さんと本も出されたんですよね。
「最近、文章書くのが楽しくなってきてますね。……今まで、じっくりひとつのことに取り組めないのがコンプレックスになっていたんですけど、楽器だったらマルチプレイヤーとか言うじゃないですか。だから最近は開き直って、クロスメディアという形でいろいろやりたいなと思ってるんです。やっと全体を俯瞰して見れるようになってきたので、自分の中で整理をつけてやっていければな、と。『Portable Tunes』もいい勉強になりましたし。この作品で、編集って言うか……0(ゼロ)から作るんじゃなくて、誰かが作ったものを形にする、みんなで会議して物を作ってゆくっていうプロセスが好きなんだなあって実感しました」

――今後のHARCOさんに期待しております。
「ありがとうございます。期待しててください!」●

(インタビュー・文/荒田 静)
初の文庫本をリリース!
  4月25日(火)発売予定
  角川文庫刊『メール交換 銀色夏生×HARCO』価格:420円(税込)

LIVE INFORMATION
  4月30日(日) 下北沢CLUB QUE『フラバルス presents“フルハウス VOL.7”』
  5月4日(木・祝) duo MUSIC EXCHANGE『BARFOUT! presents“authentica night special 06”』
  5月5日(金・祝) 下北沢440『headline vol.4』
  5月24日(水) duo MUSIC EXCHANGE『from mouth to mouth vol.1 duo MUSIC EXCHANGE×TCM presents“Duo de Duo!”』
  6月4日(日) 吉祥寺Star Pine's Cafe『THANK YOU!39!!』
  6月27日(火) 大阪BIG CAT『HARCO presents“KI・CO・E・RU? 2006 summer in Osaka”』
  7月6日(木) 下北沢CLUB QUE『HARCO presents“KI・CO・E・RU? 2006 summer in Tokyo”』

オフィシャル・サイト『HARCOLATE』 ⇒ http://www.harcolate.com/

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