● 2006/03/15
● 収録曲数:12曲
● セット枚数:1枚
● アルバム
● TOSHIBA-EMI
● 一曲DL価格
150円(税込)
● 一括DL価格
1500円(税込)



01. SOMETHING NEW 試聴
02. BLUE MOON BLUE 試聴
03. A STAR IS BORN 試聴
04. IN COLD QUEUE 試聴
05. LAY MY LOVE 試聴
06. I LIKE THE WRIGHT
BROTHERS, BUT NO
AIRPLANES
試聴
07. STILL WALKING
TO THE BEAT
試聴
08. EXIT TO REALITY 試聴
09. SLOW TURNING
OF MY HEART
試聴
10. WHERE ARE YOU
HEADING TO?
試聴
11. IN THIS LIFE 試聴
12. ETERNALLY 試聴

高橋幸宏の7年ぶりのソロ・アルバム『BLUE MOON BLUE』が出る。といっても、細野晴臣とのSKETCH SHOW、それに坂本龍一も加わったHUMAN AUDIO SPONGE、鈴木慶一とのザ・ビートニクスと、話題のユニットでの活動が相次いでいたので、それほどのご無沙汰感はない。そして、内容もまた、この人らしいポップ・センス全開だ。エレクトロニカ、フォークトロニカ、ダウンテンポ、クリック・ハウス、マイクロ・テクノと7年の間のポップ・ミュージックの最先端の動向にちゃんと目配りしながら、聴けばすぐわかる、柔らかでしなやかで芯のあるユキヒロ節以外の何物でもない。百戦錬磨のベテランらしい手練れのワザである。

「自発的なものではなくて、周りからせかされて作ったようなものですね(笑)。意志が弱いから、じゃあやろうかなと(笑)。もともと自分から湧き出てくるものを作るっていうことに照れがある。だから周りからきっかけを与えてくれないと作れない。でもいざ作ってみると、自分の感覚全開というか、私小説的なものになりますね。そういうものにするつもりじゃなかったんだけど、知らないうちにいろいろ溜まってるんでしょうね。だから今回はすごく早くできた」

今作のいくつかのトラックはドイツやアメリカの気鋭のエレクトロニカ系アーティストとメールでデータをやりとりしながら作り上げられている。『相手の顔も知らない』状況でのコラボレーション。もともと売れっ子のスタジオ・ミュージシャンでもあった高橋にとって、相手の素性もわからない状況での共同作業はやりにくくないだろうか。

「実際に顔を合わせると、こいつ案外イヤなやつだなとか(笑)、ヘタだけどいいヤツ、とかいろいろあるでしょ。知らなくていいことまで知っちゃう。その点、余計なこと知らずに、いい面しか見ないで頼めるからかえって、いいですよ。ドイツのMARZとか、こっちのイメージ通りの音をくれたから、すごく興味深かった。好きにやってって言ったら、60チャンネルぐらい音を入れてきて(笑)。すごくドイツ人的(笑)。反対にサンフランシスコのハー・スペイス・ホリデイは、とても彼らしいサウンドと歌なんだけど、ラフ。こっちの指定したメロディを変えてくるし、譜割りも全然ちがう(笑)。アメリカ人だなあと。実際に会うまでもなく、音に人柄とかお国柄が出てくるんですよ、たぶん。昔から、そういうふうにいろんな人にインスパイアされて楽しみながら作ってますね。今はそれがずっと気軽に、お金もかけずにやれる」

今回は長年所属していたコンシピオ・レコードを離れて、古巣である東芝に復帰しての第一弾である。なにか意識するところはあったのだろうか。

「前の東芝のときは、日本のドメスティックなポップ・ミュージックのマーケットを意識して、売れるものを意識して作ろうとしたけど、やっぱり自分には合っていないみたい(笑)。今回は自分のイメージとかこれまでの作品との連続性とか周りからの期待感とか、全然意識せず、特にコンセプトみたいなものもたてないで、ただ自分のやりたいこと、歌いたいことをやっただけですね。ここ数年、エレクトロニカ系を中心に、今までになくいろいろな音楽を聴いていたので、その過程ですごく好きな音色みたいなものが出てきた。SKETCH SHOWのとき言ってたのが、YMOのときはピコピコだったけど、今はチリチリだねと(笑)。サウンドの好みとか響きみたいなのが、一番原動力になってますね」

ここのところフライフィシングに凝ってアウトドア・ライフを送ることも多いという高橋は、今作は「外で聴いてしっくりくる音」というイメージがあったようだ。

「合うんですよね。エレクトロニカとかフォークトロニカの音。一個も自然の音が入っていないのに、あう。かえって生楽器だけでやっているようなカントリー&ウエスタンみたいな音は、日本の自然にはあわない。だから今回は明確に<月の景色>みたいな情景が念頭にありましたね。だから『BLUE MOON BLUE』なんだけど。プリプロで通っていたウチのスタジオが木場にあって、帰りにいつもレインボーブリッジを通るんですよ。そこから見える月の景色が印象的で、全部月の曲になっちゃった。夜の月のイメージ」

もちろん直接的に月について歌っているのではなく、あくまでもイメージである。暖かそうな月、寒そうな月。いろいろなイメージがあっても、それはすべて見る側の心象風景に過ぎないわけだが、それが作品を理解する鍵なのかもしれない。

「だから<月>といってもエコ感とかネイチャー感じゃなく、心の中の風景。自分の中のイメージと合ってるなと思う。それがエレクトロニカが自然に合う理由だし、そこにいろいろなヒントがある。歌詞でこまごま説明しなくても、でも普遍性のある歌。そういうことは昔から考えているんだけど、むずかしいですね。だから自分の歌詞も行間を読んで欲しいなと思うけど、そういうのって絶対ヒットしないからね(笑)。聴き手に寄り添ったものを作ろうとは思わない。勝手に誤解してくれるのはいいけど(笑)」●

(写真:川田洋司/インタビュー&文:小野島 大)


『ガクの冒険 オリジナル・サウンド・トラック』 『I'm not in love.The Best of Yukihiro Takahashi 1988-1995.』 『Fate of Gold』 『HEART OF HURT』
『LIFE TIME,HAPPY TIME 幸福の調子』 『A DAY IN THE NEXT LIFE』 『A NIGHT IN THE NEXT LIFE』 『BROADCAST FROM HEAVEN』
『EGO』 『Portrait with No Name』


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