OHIO101(オハイオワンオーワン)というバンドをご存知だろうか。10月に1stアルバム『アキラメタノハ』をリリースした3人組である。メンバーは、曲作りとヴォーカル、ギターを担当している鈴木純也、ドラムの牛山弘志、ベース武花正太の3人。彼らの他に、フラワーカンパニーズ、クハラカズユキ、奥野真哉(ソウルフラワーユニオン)といった豪華アーティストがレコーディングに参加している。最初は鈴木純也がフラワーカンパニーズ・鈴木圭介の実弟ということで興味を持ったのだが、聴いてみると懐かしい70年代ロックの香りがする新人離れした驚異のバンドだった。これまでCDをリリースしたことがないという事実が信じられないくらいの完成度の高さ! ライヴも観に行ったが、CD以上に刺激的なセッションを繰り広げており久々に興奮した。さらに驚くべきことは、フロントマン・鈴木純也がインタビューで「『ミュージシャンになって売れたい』じゃなくて、『自分のやりたい音楽をやること』に忠実でありたい。それをライフワークにしたいんです」と語ったことだ。この言葉を受け、私もこれまでの人生を深く考えさせられた興味深いインタビューとなった。紆余曲折を経ているからこそ生まれる、名言満載のインタビューもぜひ読んでいただきたい。
(インタビュー・文/荒田 静)



リリース日:2005/10/19
収録曲数:8曲
セット枚数:1枚
アルバム
Trash Records
一曲DL価格:150円(税込)
一括DL価格:1200円(税込)





01. アキラメタノハ 試聴
02. なんにもない 試聴
03. 無頼候ふ 試聴
04. 海賊ヒトリボッチ 試聴
05. 紅い空 試聴
06. 新宿アウトロー 試聴
07. 誰かの声 試聴
08. たそがれヒースロー 試聴



― フラワーカンパニーズの鈴木圭介さんが実兄と伺いましたが、やっぱりお兄さんから音楽的に影響を受けるものなんでしょうか?
「周囲の人間がみんなバンドやってたんで、兄だけっていうより、兄も含めて友人たちみんなから影響を受けてます。中学の時はパンクが好きだったんですけど、兄貴の影響も一部あるし、サザンロックは前さん(グレートマエカワ)に教えてもらいました」

― 弟から見て、フラワーカンパニーズってどんなバンドに映りますか。
「あの人たちは本当にすごい。大変そうな時期もあったんですけど、いまだに現役でがんばってる。僕は今34歳で、音楽をライフワークでやっていきたいなんて言ってますけど、あんまり不安を感じずにいられるのは彼らを間近で見ているからなんですよ。たぶん1人だったら不安で仕方なかったと思います。そこは恵まれてますね」

― バンドをはじめたきっかけを教えてください。
「地元は名古屋なんですけど、名古屋ってロックが盛んな所だったんですよ。だから中学生の時からバンドをやってました。もちろん兄貴たちもやってましたし。僕のバンドは、ライヴハウスで定期的にやれるくらい結構人気があったんだけど、残念ながら解散してしまって。それからいろんなバンドを転々とするようになりました。『ライヴハウスってかっこ悪い』とか言って、外人がたくさんいるクラブで演奏した頃もあったり」

― その頃からサイケだったんですか?
「いや、その頃はちょうどジョンスペ(注:ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン)の『ORANGE』が出たころだったんで、ドラムとギターのユニットで。
……で、勢い余って東京出てきたのが27歳くらいの時。でも上京した途端ドラムが別のバンドに引き抜かれてしまったんです。戻るに戻れなくて、仕事しながらメンバー探して、また解散しての繰り返しで今に至りますね」

― 仕事しながらバンド活動は大変ですよね。
「上京後すぐに、以前ちょっとやってたから……という理由で大工の仕事に就いたらそっちが忙しくなって、バンドをやらない状態が長く続いたんです。メンバーが上手く集まらなくて不定期に演奏する感じになって、そうこうしているうちに30歳の時に無理して体を壊してしまったんですよ。それまでは30歳までに音楽で生計を立てたいんだけど上手く行かないという、よくいるバンドマンの一人だったんですけど、1年間ほど体を壊して仕事も何も無くなってしまった。そして0(ゼロ)になった時、改めて『音楽やりたい』って強く思ったんです」

― それでOHIO101を結成したんですか。
「その前に組んでいたバンドが前身になってます。……体壊して、自分の頭の中にある音を忠実に表現する趣味の音楽がやりたい、と思ったのがきっかけで、新しいバンドを組んだんですね。趣味って言っても決して手抜きって訳じゃなくて、魂込めて、ライフ・ワークとして一生やっていきたいという決意のもとに。でも1年くらいかけて、ようやくライヴが出来るようになった頃ドラムと鍵盤がまた辞めてしまったんですよ。ベースはもともとヘルプだったので、実質1人になってしまって。それを周囲に話したら、仕事仲間が牛山くん(dr)を紹介してくれて、OHIOが生まれました。それが去年の9月」

― えっ、OHIO101って、結成して1年しか経ってないんですか!
「そう、短いんですよ。それからトントン拍子にライヴ、レコーディングと話が進んで今に至ります。実はベースはまだサポートで、レコーディングは武花くんに弾いてもらってるんですけど、今は“はやぶさジョーンズ”のクボタイスケ君にお願いしてます」

― バンド名がユニークですよね。
「特に意味はないです(笑)。シンプルにオハイオ州から。アメリカが単純に好きなんですよ。前の前にやってたバンドはニュー・メキシコっていうし(笑)」

― もしかして地名好き?
「いやいや(笑)。OHIO101にしたのは、〇と|―が重なって面白かったから。幾何学模様っぽくていいなあと。僕、歌詞もゴロ合わせが多いんですよ。『たそがれヒースロー』って曲があるんですけど、ヒースロー空港がどこにあるかも知らないし(笑)」

― 曲作りはどんな感じなんですか。
「曲は全て僕が作って持って行きます。アレンジはスタジオに入ってみんなでやるけど、僕の頭の中にある
ものをそのまま再現したいっていうのが基本にありますね。もしかしたら、オハイオはワンマンバンドなのかもしれない(笑)。我を押し通したいわけじゃないんですけど……」

― アルバムは、実質どれぐらいで完成したんでしょう。
「曲は体を壊していた頃から書き溜めていたものなんです。でも以前のバンドとメンバーが違うのでアレンジが変わりました。レコーディングは2日間でしたね」

― たった2日!? 豪華ゲストがたくさんいたのに、すごいですね。
「普通はレーベルを通してお願いするのかも知れないですけど、やり方がよくわかんないんし、いつも飲んでるメンバーだから(笑)直接みんなの予定聞いて、空いている日にレコーディングをしたんです。キューちゃん(クハラカズユキ)には、やった事がないのにいきなりボンゴを叩いてもらったりして。当然彼の中では出来はあんまり良くなかったみたいなんですけど、僕はどうしても昔からの友達であるキューちゃんに叩いて欲しかったんで、それでいいんです」

― CDをリリースして、何か変化はありましたか?
「全国で流通するCDを出すっていうのは小さな夢だったんで嬉しかったんですけど、それ以外の変化は特にないですね。僕ら、お客さんのリアクションも少ないバンドなんで(笑)」

― リアクション、ないんですか(笑)?
「お客さんは聴いてくれてるんですけど、一番前には来ずという感じですね。がーっと前にスペースが空いてて、遠巻きに観てるんですよ、みんな(笑)。でもアンケートにたくさんコメント書いてくれたりするんですけど」

― 私は、お酒が飲みたくなるバンドだと思ってます。
「それ、前もアンケートでいわれたことありますね」

― 拍手しなきゃとか、ここで掛け声をかけなきゃとか、そういう決まりから離れて自由に観たい感じなんですよね、OHIOって。ライヴハウスなのがもったいないというか。椅子のある会場や野外で、きついお酒を飲みながらじっくり観たい感じなんです。
「だから、僕らって対バン相手やライヴハウスの偉い人に気に入られることが多いんですかね?」

― CDをリリースして、今後の目標や夢はありますか?
「まず、今までバンドが長く続かなかったので、OHIOで長くやれたらいいなと思ってます。
CDをリリースした今は、満足感というよりは自分のストックはまだまだあるぞ、って感じかな。これからも、頭の中でカッコイイと思うものをドンドン出したいですね。それに、このアルバムが僕の頭の中の音楽を完璧に再現しているかっていったらまだまだなので、今後はそれももっと追求して行きたい。『音楽でメシが食いたい』ではなく……まあ食えたら嬉しいですけど……そこにこだわってはいない。『自分のやりたい音楽をやること』に忠実になりたいんです」

― 最後に、読者にメッセージをいただけますか。
「とにかく、一回聴いてみてください。僕らの売りといえば、フラカンの弟ってことしかないかもしれないんですけど、でも僕はそんなの気にしてないし、それがきっかけで聴いてくれる方が一人でもいれば、すごく嬉しいです」●



06年1月14日(土)新宿LOFT『SATURDAY NIGHT R&R SHOW 2006 Vol.1』
06年1月21日(土)恵比寿GUILTY
06年1月29日(日)下北沢251『Shaolong To The Sky レコ発ツアー in 下北沢』

★ 詳細はオフィシャル・サイトまで ⇒ http://members3.jcom.home.ne.jp/ohio101/

★ Trash Records オフィシャル・サイトはコチラ ⇒ http://www.trash.ecnet.jp/

backto
Copyright © 1999 - 2005 Listen Japan. All Rights Reserved. 無断転用を禁止します